`The Best or Nothing`

`最高でなければ意味がない`

これは、メルセデスベンツのブランド体験を表す哲学です。

この記事をお読みいただいている方は日頃からお客様に接して、扱っている「商品」や「サービス」がある方かと思いますが、皆さんはどのような`価値`をお客様に届けておられるでしょうか?

 

今、「商品中心」から「顧客中心」に転換を図っている企業はとても多いです。
もちろん商品品質ありき。
ですが、同じような商品が溢れる今の時代は「モノ」の価値だけではお客様は選ばなくなってきています。

顧客体験とは?

例えばクレドに象徴されるリッツ・カールトンや、またスターバックスコーヒー。
人は「宿泊」「コーヒー」を求めて足を運んでいるわけではありません。そしてそれらを提供しているわけではありません。
周りの環境や接客ホスピタリティを含めた雰囲気、空間、世界観・・・・・・
目には見えないその場で感じる「良い思い」を体験しに人は足を運んでいます。

このようにお客様が感じる感情的な価値やメリットを「顧客体験」(=カスタマーエクスペリエンス)と呼びます。
特に高単価の商品やサービスを扱っていたり、富裕層のお客様を対象としている場合この顧客体験での差別化はとても大切です。

 

 

接客するなかで「顧客体験」を意識する

では接客対応のなかでお客様に届ける「顧客体験」とは何でしょうか?
顧客体験というと、何か特別なイベント体験やおもてなしと思う方もいらっしゃいますが、そのような特別なものだけではなく日々の接客の中で「個」の対応をすること自体が顧客体験につながります。

角度を変えてみてみましょう。
お客様は「何」を求めてその場に足を運んでいらっしゃるのでしょうか?

 

例えば自分自身がお客様として行かれている場合、何を求めて足を運んでいるかを考えてみましょう!
「私は〇〇に△△を求めて行っている」
と自分の心理を一度可視化してみると、人の心理が分かりやすくなります。

♣「私は化粧品を求めて、百貨店に行く。モノだけならインターネットでいいけどカウンセリングやお肌の状態を見てアドバイスをして欲しい」
♣「私はホテルのラウンジに行く。コーヒーだけなら近所のカフェでいいけれど落ち着いた時間を過ごしたい。」
♣「私は〇〇サロンに行く。髪を切るだけなら近所の美容院でいいけど、担当の〇〇さんが私のことをよく分かっていてくれるしいつもアドバイスをくれる。髪を切るだけでなくいつも癒されて新しい自分に出会える気がする」
♣「私は、リッツカールトンに宿泊する。泊まるだけなら他にもあるけど、あのホテルは気持ち良いし何よりホスピタリティが心地よい。記念日だから良い思い出を作りたい」

 

お客様は常に顕在的にも潜在的にも「良い思いをしたい」という自己実現の気持ちを胸に抱いています。

 

それは「良い商品に出会えること」であったり、「良い体験」、「私にあった良い提案」、「最新の情報」であったり、企業やお店に対し、期待をしています。
そしてそれが想像以上、期待を超えるものであると熱心なファン(=ロイヤルカスタマー )に変わります。

 

モノでお客様を満足させた場合、「満足」という感情があっても、他でそれ以上のものがあれば簡単にスイッチされてしまいます。

「同じような商品(技術)はあるんだけど、やっぱり〇〇がいいんだよね」

そういう経験はありませんか?

お客様を熱狂させる`何か`とは

お客様を「ファン化」させるには、熱狂させる`何か`があります。

例えば

「〇〇ブランドのものは、とにかく形が綺麗で私にぴったり合う」
→形が綺麗なモノがあれば他にスイッチ
「〇〇ブランドのものは、形が綺麗で私にぴったり合ううえに、ブランドの哲学やストーリーがたまらなく好き、創業者の思いに共感する」
→モノだけではない心が動くポイントがある

「〇〇ブランドのものは、性能がいいだけでなく担当者さんがいつも丁寧に色々ご提案くださって、故障した時も親身に見ていただけたので次もまたお願いしようと思う」
→モノ以上の付加価値

皆さんの対応で「心を動かす」ためには何が必要でしょうか?

「接客対応」と一言で言っても「セールス」を伴うかどうか、
「セールス」と一言で言っても「高単価」商品なのか「日常品」なのか・・・
お客様が心地よいと思われる対応や、そもそも求められていることは全く違います。

例えば

♣自分の目指した目標が達成したご褒美に時計を買いにハイブランドに行ったら、ショーケースは指紋だらけで、さらに言葉遣いも態度もとてもカジュアルな対応をされて何だかがっかりして別の店舗にいった・・・・
♣近所のカジュアルなカフェで、高級レストランのような敬語や過度なサービスをされものすごく居心地が悪くなりすぐに出た

これは、それぞれお客様がどういう環境で買いたいか、どういうひとに接客されるかというイメージがなんとなくあったり、心地よいと感じる対応が違うということです。

 

「モノ」以上の価値を考えることからスタート

「モノ」以外の価値はなにでしょうか?
「モノ」の価値以上に「良い思い」が付加価値としてつくと記憶に残り、オンリーワンのものに変わります。

 

同じような商品や情報が溢れ、モノの価値だけではお客様は選ばない時代。
だからこそ、「顧客体験」を考えた接客対応を!!

まずは、いつもの業務を思い出していただいて

1.お客様は何を望んで足を運んでおられるのか?
2.お客様は、商品プラスαでどのような価値を得られるのか?
3.お客様に「専門家」として新しい発見を提供するとしたらどのようなことか?
4.なぜ私じゃないといけないの?(=私が担当するからお客様は〇〇というメリットがある)
5.接客対応の位置付けは?どういう対応が心地よい?

 

是非チームで話し合ったり、考えてみてくださいね♪

 

次回は、富裕層のお客様への「顧客体験」〜必要な取り組み〜についてお話ししますね♪

 

ハイエンドコミュニケーションでは、お客様と信頼関係を築く様々な研修を提供しております。
「もの」の価値ではなく、お客様に高い付加価値を与えられる人材の育成が必要です。
短絡的に売り上げをあげるのではなく、お客様に長く愛され売り上げをあげましょう!