株式会社ハイエンドコミュニケーション 代表 高野睦子です。

前回、「なぜ顧客体験は必要なのか」というお話をしました。

 

情報もモノも溢れた今の時代は、同じような商品がある中でお客様が選ぶこと自体も困難になっています。
だからこそ、モノの価値以上にお客様が得る「感情的な価値」を考え、「顧客体験」で独自化を図ることが大切です。

それでは今日は富裕層のお客様に対しての「顧客体験」についてお話しします。

 

富裕層の当たり前の日常を知る

富裕層のお客様は日々様々なサービスを受けておられます。
例えばそのお店の上顧客様や、今後上顧客様になる可能性のあるお客様とお店側が判断した場合、特別な部屋で買い物や商談をされていたりお誕生日になるとセンスの良いお花が届いたり、特別なイベントに招待されたりと常日頃から「良い思い」を体験されています。
どのお客様にも丁寧に接客すると言うのはプロの対応として当たり前のことですが、それ以上のおもてなしが存在しています。
特別扱いやイレギュラー対応など普段から「お得意様」として対応されているため、当たり前の基準値が高いのです。
人は上を知ると下を見なくなると言いますが、やはり良いサービスを日頃から受けておられると、それらが当たり前になっていき、普通に対応しているだけでは心は掴めません。
逆に言うと、基準値が高いからこそその場での対応が悪いと目につきやすく、不快に思われやすいのです。富裕層の特徴は、万が一「不快な思い」を感じられたとしてもその場で口にせずに離れてしまい、二度と足を運んでくださらないケースが多いということです。富裕層の方からの苦言はよほどのことという事です。

ここで言う「良い体験」というのは派手なおもてなしやお客様に媚び諂うことではありません。
お客さまが心地よいと思う距離感で丁寧な対応、一人ひとりに合ったきめ細やかなサービスです。

接客対応の本質は、「お客様を歓迎しています」、「尊重しています」という対応であることです。

挨拶一つにとってもしっかり目を合わせて気持ちよく挨拶できるのか、心がこもっていないルーティン化されたものかは、日頃から様々な接客をうけているとわかるものです。

弊社の研修では「他業界のホスピタリティを知る」という内容も盛り込んでいます。
「うちではそんなことはできない」という話ではなく、ここでは一歩外を出るとお客様がどのレベルのサービスを受けておられるのかを知った上で、自分たちに何ができるのかを考えることを目的にしています。普段他業種のサービスを知る機会はなかなかないと思いますので、是非いかしていただきたいと思います。

 

富裕層を刺激する「衣・食・住・遊・知」


では富裕層のお客様に「良い思い」をしてもらうためにはどのような取り組みをしたら良いでしょうか?
もっとも重要なのは富裕層のライフスタイル、価値基準、判断基準をよく理解することです。
今の自分の価値観で対応をしてしまうと、どうしてもお客様のニーズからかけ離れてしまうことがあります。
富裕層の場合は「衣・食・住」だけではなく、「遊・知」を理解・意識した取り組みや提案が必要です。

お金を払えば誰でも手に入れられることよりも、プライスレスの価値。自分だけのために用意された「体験」。
例えば自分だったら選ばないこと・普段なら体験しないと思うこと・・・
見たこともない世界・体験したことない出来事・・・・
これらも全て「エンターテイメント性」があります。
何でも手に入れられたお客様にとって新しい「価値」や「新しい自分」に出会える楽しさがあるのです。

例えば、ハイジュエリーや何千万円もするようなオートクチュールのドレス。
このようなものは着る機会が何度もあるわけでもないですし、
また一度着けたり着ると、インパクトが強くもう同じものは着けられないとおっしゃる方がとても多いのですが
ですがそのたった1回だとしても素晴らしい体験が何にも変えられない価値だと思いご購入されています。
「浪費」ではなく価値あるものへはいくらでも「投資」されるのが特徴です。

価値さえ見出していただければ消費インパクトが強いので、「価値」をどう提供するのかが非常に重要です。

 

もう少し、日常に話を戻し日頃の接客対応の話をすると
今は、営業を行う前にお客さま自身が自分でインターネットなどを通じ情報を得ることができる時代です。
店舗に足を運ばなくても比較・検討・購入まで完結できます。
一方で情報が溢れすぎて、信憑性に欠けたり必要な情報を得るためにも時間がかかる時代でもあります。

だからこそ富裕層ほど「信頼できるひと」を途中に介入させておられます。
時間の価値を重視する富裕層の特徴は、「信頼している人からの情報」がメインになるということです。

富裕層の「知」はある意味エンターテイメント性があると思ってください。「知」を刺激するためには
お客様が「知らない情報」「業界の話」「プロとしての話」など目新しい情報は富裕層にとって
「知」を刺激するワードになります。
そして大事なのはまずは「この人は私のことをよく理解してくれ、情報はいつも役に立つ」と思っていただけるように目の前のお客様にとってベストなご提案を心がけることです。〇〇業界のことは〇〇さんに聞こうというポジションを目指しましょう。

その時に意識的に行うのは「個」の対応です。
例えばファッションであれば、「洋服」の知識があって販売する人ではなく、「パーソナルコーディネーター」になれる人の方がお客さまは「価値」を感じていただきやすいです。

富裕層を「層」で考えていると心は掴めません。とことん「個別対応」が必要なのです。
誰にでも当てはまることを言うのではなく、「目の前のお客様」へのオンリーワンの言葉を意識します。
また、例えば感受性の高いお客さまですと、その時に思いついたことを大切にされるので急な予定変更もよく起こることですが、フレキシブルに対応をすることがお客さまにとってはストレスフリーなので大切です。
ここでの対応力が「差」が出るポイントでもあります。

富裕層のお客さまとの信頼関係づくりは、よく人をみられているので地道にコツコツと積み上げていくことです。

顧客ロイヤルティの高い富裕層

コロナ禍で顕著になったのは百貨店の富裕層のお客様の動きです。
特に外商などしっかり関係性を作っていたお客さまはコロナでも関係なく消費されています。
低迷する一般ゾーンに比べ、ラグジュアリーブランドや美術・宝飾・呉服は売上が好調でした。
「個」の対応をしっかりとしていれば、特に富裕層の場合は顧客ロイヤリティが高くなるという結果です。
マス狙いから、「個」にシフトする時代なのです。
「個別対応」こそが接客対応する皆さんの力で左右されます!

 

当たり前の基準値の高い富裕層の「違和感」をなくす

例えば高額商品を決めるために行ったのに、言葉遣いも対応もカジュアルだった・ショーケースやテーブルに指紋がついていた・契約書にサインをするために出されたボールペンがチープなものだった・・・・
億物件を内覧しに行ったのに出されたスリッパが非常に簡易的な薄っぺらいモノだった・・・・

これらは顧客体験の価値を下げてしまいます。「高価なボールペンでサインしたい」「高価なスリッパを履きたい」とは思っていなくても、「これだけの価格のものを契約するのに、歓迎されていない、準備されていない感じがする」などなんとなく「違和感」を感じさせるのはもったいないことです。
特に富裕層対応では、「特別な好印象を目指す」のではなく、当たり前の基準値の高い富裕層の「違和感をなくす」ことが必須です。
その場にふさわしい環境や対応を考えてみましょう!

 

高額商品の接客において担当者に求められていること

特に「不動産」「時計」「車」・・・・など高単価商品の場合、
日常品販売とは違い、「商品」だけがいい、担当者の知識や対応が良いというだけではもちろん決まりません。どちらも必要です。ですが担当者次第で商品の価値が変わるのです。
どれだけ早いタイミングでお客様のことを理解し、お客様に合うご提案が出来るかは担当者の腕次第です。
そのことをお客さまはよく知っておられます。だからこそ富裕層のお客さまは担当者をよく見ておられるのです。

ひとは物を買うとき、商品という物を買っているようでそれを通して得る「未来」や「自己実現」「体験」を買っています。
高額商品になればなるほど、必要なものに消費するのではなく「未来の自己実現」に対して投資されるので富裕層ほど価格の価値基準ではないのです。
お客様もすでに情報や知識を持って来られることも多いので、それ以上に「専門知識」を伴う提案力、お客様がまだ想像されていない未来への提案が価値になります。そして何より担当者として信用される行動を積み重ねて「信頼」されることです。
富裕層ほど人間関係を重視されるという特徴があります。
信頼関係を築き、それが「あなたが言うんだからそうしようと思う」「商品も最高のものに思えるような提案をしてくれた」「私にとって最高の商品を紹介してくれた」「次も是非お願いしたい」「知り合いにも担当者を紹介しよう」と結果につながります。そして信頼関係を一度築くと、長くお付き合いしてくださるのも富裕層のお客様の特徴です。

 

ここで若手の方は心配しないでください!
経験値がまだ浅くても、「もっておくべき視点」や「提案方法」「潜在的なニーズをヒアリングする技術」「信用されるための具体的な行動」「違和感を持たれやすい避けるべき行動」「富裕層のライフスタイル判断基準や価値観」を技術・方法として学べばいいのです!
(それぞれの専門知識は日々、磨いてくださいね!)

 

 

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