「よいお店の条件」とは何でしょうか?

 

この問いを投げかけると

「商品がいい、味がいい」
「コストパフォーマンスに優れている」
「駅が近くて立地が良い」
「雰囲気が良い」
「親しみやすい」

などと出てきます。

 

 

逆に

「売り上げが悪い理由は何だと思いますか?」

と問いかけると

 

「立地が悪いから」
「この商品は売れない、商品力がない」
「高すぎる」

確かにどれもお客様にとっては満足度を左右するようなものです。
ですが、これらはお客様に選ばれる「よいお店」であるための絶対条件ではありません。

 

一度、店舗内で「良いお店とは」と皆で意見を交換してみる機会をぜひ持ってみてください。
じっくり考えたことがないという人もいるでしょうし、それぞれの考え方を一度言葉にするのはいい機会です。

 

良いお店とは

 

お客様に愛されるお店だということです。

つまり、お客様がリピーターとなり何度も足を運びたくなるようなお店です。

繁盛しているから、お客様がリピーターになるのではありません。

お客様に愛される要素があるからお客様がリピーターとなり繁盛するのです。

 

商品が良くて、2回、3回リピートしてくださったお客様は、リピーターでしょうか?

これは、リピートしている「状態」であっても残念ながら「顧客化=ファン化」かどうかは分かりません。もしかしたら他に良いものがないから今はリピートしているだけかもしれません。
こういった場合、さらに良いものが見つかればいつなんどき、他にスイッチされるか分かりません。

いわばお店にとっての片思い。「リピーターのお客様だ」「私のお客様だ」と思っていたとしても、ただお客さまは「リピートしている」だけの可能性も高いのです。

顧客ロイヤルティを高め囲い込みをしていくためには商品以外で繋がる「なにか」が必要です。

「ここじゃなきゃだめなんだ」

 

必要なのは、お客様に商品を超えて愛されるということです。
商品以上にさらにどんなメリットをお客様は感じられるのでしょうか?一度書き出してみてください。

「愛される店」

では「愛される店」とはどういうことでしょうか?

 

多くの店舗をみていても「愛されるお店」で働くスタッフは生き生きとしています。
作り笑顔ではなく自然と笑顔があふれています。
また、店内は掃除が行き届いていて美しく、お客様を大切にしているのが一目でわかります。

 

お客様だけに愛される訳ではなく、そこで働く人間、お取引先、お店に関わる全ての人が誇りに思い笑顔になれる場所であることです。

お互いがお互いのことを大切に思い合っているのが伝わるお店です。

自分たちも愛しているから、愛されるポイント・選ばれる理由を自分たちで分かっているのです。

 

元ある場所に戻すということでさえも、次使う人が使いやすいようにと心遣いが見えたり至る所に「思いやり」「ホスピタリティ」があふれています。

 

これは「きれいごと」と思う方もいるかもしれません。
ですが、実際多くの店舗を見てきても、売上の良い店舗ほど環境が整っているのです。
そして売上の悪い店舗ほど、整理整頓がされていない、人間関係の悪さが空気となって伝わる・・・・
お客様を迎え入れる環境が整っていないのです。

まずはここからです。

店舗内でのコミュニケーションの円滑をはかりチームワークを大事にすることも大切です。

One to One のコミュニケーション

真のリピーターを獲得するのに必要なのは、コミュニケーション力とホスピタリティです。
質の高いサービス力。

例えば、レストランであればシェフやテーブルの担当者、メートルドテルが食事中にも配慮しながら会話をしたりお見送りの挨拶をして余韻を残す店舗と、全くコミュニケーションをせず食事のみする店舗では、お客様に提供する価値が変わってきます。

当たり障りのないマニュアル的な会話ではなく、その場でしか生み出せないようなONLY ONEの会話をすればするほど心と心のコミュニケーションができます。

ふと思い出すのが「食事内容」や「おいしかった」という味に対する感想のみなのか、「食事内容」「味」「お店とのやりとり」で生まれた感情なのか・・・・・・

記憶できる内容が、「提供する商品」だけではない方がお客さまとの余韻を残し、繋がりを持てます。

 

人間同士のやりとりです。
商品、技術力があってサービスの質もいい。居心地がいい。信頼できる。プロフェッショナルである。
特にデジタルの進んだ今、お客さまが勝手に口コミを広めてくださることもあったり、人が集まらないわけありません。

 

モノの価値以上の付加価値をつける

 

モノだけでお客様を感動させることは出来たとしても、お店のファンにまでさせることは出来ません。

「ヒト」「対応力」が良ければ、モノの価値以上の付加価値をつけることができ
お客様にとってのモノの質は上がっていきます。

 

その結果、お客様は商品のファンではなくお店のファンになりやすく、リピーターに繋がって行きます。

いいお客様は、同じようなお客様をよんでくださいます。

どれだけ商品力があっても、どれだけ一人の接客力があっても、チームの関係性が悪くうまく回っていない店舗は山ほどあります。

 

だれか一人だけ優れていてもダメなのです。

カリスマが一人いて売り上げが上がっていても、彼らが抜けた途端ダメになるのはよくある話です。

それぞれが能力を発揮できる環境にするのがマネジメント層の役目です。
権力をかざして、空気を悪くするのは本末転倒。

空気というのは必ず、お客様に伝わります。

「リピーター獲得件数目標」
「売り上げアップの目標」

これらをいくら目標設定しても、具体的な行動がわからなければ何も変わりません。

お客様だけに向けるホスピタリティではなくチーム全体に向けるホスピタリティを持ち、スタッフもお取引先も、そしてお客様から愛されるお店を目指しましょう!

 

株式会社ハイエンドコミュニケーション 高野睦子

 

ハイエンドコミュニケーションでは、企業様に「お客様と信頼関係を築く研修」を提供しています。
「もの」の価値ではなく、お客様に高い付加価値を与えられる人材の育成が必要です。
短絡的に売り上げをあげるのではなく、お客様に長く愛され売り上げをあげましょう!