株式会社ハイエンドコミュニケーション高野睦子です。
富裕層マーケットは、市場に新しく参入する企業や富裕層向けの事業を強化する企業も増え、ますます加熱しています。
この背景にはどのようなことがあるのでしょうか。また、難しいとされる富裕層ビジネスにおいてやるべき3つのポイントとは?
富裕層が増え続ける背景
2013年のアベノミクス以降、景気の拡大や株式や不動産の資産価格の上昇、またベンチャーブームによるIPO(新規株式公開)やバイアウト(事業売却)により日本の富裕層は年々増加を続けています。
コロナ禍でもその勢いは衰えませんでした。
クレディスイスの「The Global Wealth Report 2021」では「2020年の富の創出は、COVID-19の経済的影響を緩和するために政府や中央銀行が導入した措置により、世界が直面する課題とはほとんど無縁のものになりました」
とあります。
ちなみに毎年発表されるForbesの長者番付のランキングトップの孫さん、柳井さんはコロナ禍でも約2兆円から約4兆円に資産が増えたとされています。
金融政策による緩和マネーが不動産に流れ、2020年後半から非常に動きが良く特に都心部では売り手市場でした。今年に入り株価が下がっていますが、それでも長期的にみると、5年後予測は今後も変わらず増え続けるとされています。
富裕層ビジネスにおいて日本では、欧米の富裕層・超富裕層とは人口比率の構造が違うため欧米型の富裕層ビジネスがそのまま成り立つ訳ではなく情報が少なく難しいとされています。
それではこの富裕層マーケットで成功するにはどうしたらよいでしょうか。
ポイント①顧客接点の強化
多くの企業が経営戦略を練り対策をしていますが、富裕層に関する情報が「企業・部署止まり」になっているケースも多いです。
超富裕層・富裕層ビジネスというのはB to Cです。実際にお客さま接点があるのは対面する社員。さらにはマーケットの変化のスピードも早く、たった一人の目の前のお客さまのニーズを拾うのは担当者である社員です。
特にこのセグメントでは、「誰と付き合うか」を重視されているのでニーズに合わせた商品ラインナップだけではなく「顧客接点」を有効にするための準備が必要です。
社内で「強化します!」「売上目標!」と急に言われても、社員の方々は「自分の営業スタイルの何を今までと変えれば・・・」と分からず今までと何ら変わらないやり方をするのです。
多くの現場では、強化目標だけ課され富裕層対応は本人の経験値や勘だよりになっています。
過去の研修受講者アンケートでの回答をご紹介します。
Q富裕層担当者となり何に難しさを感じますか?
・「富裕層の実態がわからないため、ご提案が難しい」
・「ニーズがわからない」
・「踏み込んだ会話ができないので情報収集ができない」
・「今までのやり方では通用しない」
・「周りに、相談できる人がいない」
そもそものセールステクニック以前に、
大きく分けて
①富裕層との関係構築に難しさを感じているため踏み込んだ話がしずらい→ニーズがわからない
②周りにアドバイスを求められるひとがいない
このようなことがあがりました。
私自身が前職でハイエンド新規プロジェクトの初期メンバーになった時も
まさに同じようなことを思っていました。
お客さまとのやり取りをしていく上で、当初は前例がなかったり
商談や関係作りに関して周りに共有できる人がおらず、
自分なりにやるしかありませんでした。
相談相手となると机上の空論ではなく、
実際にプレイヤーとしてお客様と信頼関係を既に構築している・
高額商談をしている経験者からのアドバイスが欲しかったのです。
私は当時ハイジュエリーを扱っていたのですが商談となると海外取り寄せになります。
スピード感を大切にしていましたが、
海外からの返答は元々時差がある上、
遅くいつまで経ってもお客さまに正確な返答ができない、
一点ものの高額のハイジュエリーを海外から取り寄せることができないので
実物を見ていただくことすら出来ない・・・・・、
お待ちいただくとレートの関係で気がつけば価格変動している・・・。
お客さまのニーズは分かっているのにそれが実現できないもどかしさ、
希望に応えるにはどうしたら良いか、なんとお伝えしたら良いのか・・・・・
と色々自分なりに試行錯誤して方法を考える日々でした。
何をいうのか、どのように関係性を維持していくのか、
ここで必要なのは決して一般的なセールスのスキルではなかったのです。
富裕層セールスにおいて、やってはいけないことというのはあります。
それをやはり知っているのと知らないのでは結果は大きく変わります。
ポイント②LTV(顧客生涯価値)を高める
富裕層のお客さまのLTV(顧客生涯価値)を高めるには、やはり信頼関係の構築が重要です。
それはもちろん企業レベルでの信頼関係もありますが、富裕層ビジネスにおいては担当者との信頼関係の構築が非常に重要です。
まず誰と付き合うかを重視されている富裕層にとって、「この担当者は任せて大丈夫か」という点をクリアしなければなりません。次に、ニーズも価値観も多様化・個別化しているお客さまに対して、とことん「個対応」しヒアリングしてご提案する力。
多くの方を見ていると、社内研修では業界の専門知識や富裕層向け商品の知識、セールススキルに偏るため、商品説明は非常に上手な方が多いです。
ですが「説明」が上手な一方で、過去の経験や自分の価値観の中で判断したり、マニュアル化したり「ヒアリングスキル」が伸びないためせっかくの専門知識の引き出しを間違える方も多いように感じています。
たった一人の目の前のお客さまのニーズを探りご提案できるのはマーケティングの力ではなく、担当者の「対応力」です。
そして最も重要なのは人間力です。ふとした言葉や、対応で誠実さやお客さまのことを思っているかどうかは見破られてしまいます。ここがずれていると、いくらセールススキルやヒアリング力、提案力、経験値があっても結果にはつながりません。
ポイント③富裕層は「層」として捉えない
富裕層は「層」として捉えていると心は掴めません。マーケティングでは「層」で捉えますが実際に一人一人のお客様のニーズに応えるためには「層」ではなくとことん「個」を捉える必要があります。マニュアル化されたものではなく、お客様に向き合い「個の対応」をするのはやはり担当者なのです。
弊社では新たに7ヶ月間でハイエンド対応できる人材を育てるプログラムをリリースいたしました。富裕層ビジネスの対応に関しては、経験なく机上の空論では難しいため自社開発する時間や、社内での教育担当者の選抜が難しいとされています。
それらの教育担当者が抱えるご負担もハイエンドコミュニケーションにおまかせくださいませ。
無料でZOOM相談を実施しております。お気軽にお問合せくださいませ。
関連記事:富裕層のお客様に商品、サービスを選んでもらうためには
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