今は、多くの大手の企業ではCRM(Customer Relationship Management)を導入しています。
顧客の嗜好や購買行動について膨大なデータを集めて分析し、製品やサービス、
マーケティング、顧客のセグメンテーションを見直して様々なアプローチをしているのです。
人だけでは抽出できない、見逃してしまう見込み客をAIの力で抽出しアプローチが可能になっています。
顧客との関係性を「可視化」出来るので便利で素晴らしいツールとも言えます。
ですが、ここに大きな落とし穴があります。
データが全てではない
お客さまがどのような状況で、商品やサービスを品定めして購入し使用するかといった
「感情的価値観」までは追えません。人の気持ちというのは何かのきっかけで急に変わることもあります。
消費者インサイトが見えにくい時代です。
例えば、イメージしやすい非常に簡単な例を挙げてみます。
ある家電量販店に洗濯機を見にきた人がいるとします。
Aさん:大手サロンオーナー
サロンで使用している洗濯機が壊れ、今すぐ新しい物が欲しい。
手で洗える量ではない。
Bさん:新婚。これから二人で暮らすため家電を見にきた。
「洗濯機を見にきた」
という面だけを見ると同じニーズです。
ですが、本当のニーズは正反対です。
もしもこの背景を知らずに同じようなものをすすめ、同じ接客をしていたら購入の意思決定を引き出せずチャンスを見逃しているかもしれません。
Aさんに必要なのは、「今すぐご用意できる物」「配送手配を早急にできること」
Bさんに必要なのは、「急ぎではないので今後のライフスタイルも含め提案してくれること」「他の家電もおすすめできること」
これらのニーズを引き出して適切な物をご提案できるのは言うまでもなく一対一で接客をしている皆さんなのです。
特にBさんにおいては目先の売上でなく、しっかりとしたご提案を行い信頼を得たら、洗濯機だけでなく他の家電をあなたに提案して欲しいという結果に繋がります。
そして、例えばAさんが40代の男性だと仮定して、これまでの購入履歴や購入頻度から「このような物を購入されるかもしれない」と分析ができたとしても、今回のような「サロンオーナー」という立場でのイレギュラーな購入まではデータでは、もちろん分かりません。
必要なのは情報の引き出しを選別すること
お客さまが置かれている状況は千差万別で、今日と明日では状況が違うことさえあります。
接客営業する皆さんに求められているのは、自分が持っている情報の引き出しから目の前のお客様に必要な情報をピックアップして提供することです。
そのために必要なのは一般的なマーケティングやデータではなく、目の前のお客様にまずは集中することです!
お客様の表面的なニーズではなく、その内側にある「見えない」ニーズはお客様との会話からでしか分かりません。
お客様との距離感や会話、人のこころを形にすることが接客です!
人でしか生み出せない価値
昔と違いインターネットが普及した今はお客さまが来店前にご自身で調べ、ある程度の情報を持った上で来店される(ここ最近は来店できないので電話やメール対応でも)ケースが多くなってきています。
そうなったときに営業や接客担当者が行っていた説明は全て事前習得済みなので、お客さまが接客で求めていることは、もはや`表面的なセールストーク`ではありません。
自分にはどういった物が良いのか専門家からアドバイスを求めていたり、もっと深い内容を求めていたり生き方も働き方も多様なように、お客さまのニーズは多岐にわたります。
自分が気付いていない点を教えてもらえることや、潜在的なニーズまでも引き出してくれる人と出会えたら
お客様にとっても、「もの」以上の価値が得られ最高の担当者との出逢いになります。
富裕層はネット検索結果を鵜呑みにしない
とくにミレニアル世代になると、必要な情報はネットで検索し口コミも確認。
店舗購入よりもEC購入を好む傾向が見られますが、富裕層ビジネスにおいては富裕層は一般的な口コミではなく知人や信頼している人からの口コミを重視される傾向が強いです。
となると、この「信頼している人」に営業担当や接客担当者の皆さんがなることが大切なのです。
お客さまがあなたからからでないといけない理由、このブランドでないといけない理由、自分だからこそ提供できること・・・・・・
これらを一度考えてみるときっと次の展開が見えるはずです!
デジタルマーケティングが先立つ今、アナログであっても、未来をいくらでも変えることができる「接客」の力はますます重要になってきています!!!
お客さまの笑顔のために一緒に頑張りましょう!!
それが必ず皆さん自身の笑顔になるはずです。
ハイエンドコミュニケーションでは、企業様にお客様と信頼関係を築く様々な研修を提供しています。
「もの」の価値ではなく、お客様に高い付加価値を与えられる人材の育成が必要です。
短絡的に売り上げをあげるのではなく、お客様に長く愛され売り上げをあげましょう!