ハーバード大学の研究調査で700名を75年間追跡し、人の幸福度を調査したものがあります。それによると、年収が100万円上がったとしても幸福度はたった2%しか上がらないといいます。

またIQレベルで調査してもIQ110の人とIQ150の人では変わらないということです。

 

では、私達の幸福はいったいどのようなところであげることが出来るのでしょうか?

 

身近な人間関係を良好にする

 

このハーバード大学の研究結果によると、実は一番幸福度を上げる効果のあるものは身近な人間関係だということです。
私達の学校教育ではこの「人間関係」というものを学ぶ過程がありません。
ビジネス上のコミュニケーション法などは、企業の研修などで学ぶことはあるでしょう。

しかし一番人の幸福に直結するのは、周りの大切な人たちと信頼関係を築き、温かな関係を築くことなのです。

ビジネス上でのコミュニケーションが上手くても、実は一番身近な家族、恋人、親友・・・・
これらの人間関係に悩む人も少なくありません。

 

日常の簡単に見えるこの関係作りが一番、人の幸福度に影響を与えているのです。
身近に、自分の事を分かってくれている人がいる、味方がいる、ホッとする場所がある、心が満たされるということは何にも変えがたいことで、「幸福度」を上げる近道です。

では、身近な人間関係を豊かにするためにどのようなことをしたら良いでしょうか。

相手に関心を持っているということを態度で示す

マズローの欲求5段階説でもあるように、人の欲求には「承認欲求」というものがあります。
相手を認め、受け入れる姿勢というものは人間関係を築くにあたり、相手に安心感を与える大切なことです。

「認めてもらえた」「興味を持ってもらっている」これがどれだけの勇気や、温かさに変わるかというのは実は計り知れません。

それでは相手に関心を持っているとは具体的にどのようにすればよいかお話しましょう。

オウム返し効果

これは、コミュニケーション法では有名な手法です。
相手が言ったことに対して、同じことを繰り返すのです。「こんなことがありました。」「そうなのですね、そのようなことがあったのですか」とても簡単なようで、実は相手に心理的安心感をプラスしています。
特に男女間のコニュニケーションにおいては、結論を出したがる男性と、話をただ聞いて欲しい女性の間でミスコミュニケションがよく起こりますが、「だからどうだったの?」「それで?」と言う前に、「そうなんだね」と一言付け加えるだけで、ワンクッション柔らかい空気を生み出すことが出来るのです。

質問のタイミングを考える


質問には「クローズドクエスション」「オープンクエッション」というものがあります。
「クローズドクエスション」はYES/NOで答えられるもの。
「オープンクエッション」はWhat/Why/Who/Whom/Where/How など自分で考えて答えるように持っていく質問の仕方です。

信頼関係が築けていない相手の場合、いきなりオープンクエスションで質問すると、相手は根掘り葉掘りといった尋問のような圧迫感を感じてしまいます。
接客業や、はじめましてのシーンはまずは簡単に答えられるYes/Noで答えられる質問から相手にすると良いでしょう。

しかし、逆に信頼関係が築けている相手に、Yes/Noで答えられる質問をしてしまうと、承認欲求を満たせない場合があります。「私のことに興味が無い」という印象になりがちです。

このように実は質問というのは深く、相手のことを思いやるという器量が必要なのです。
相手の状況やタイミングを見計らったり、相手を思いやるからこそ良質な質問が出来るのです。
例えば相手が疲れているときに「どこで?」「何を?」「誰と?」これは尋問です。
相手を思いやっていたらこれらの質問は控えることが出来ますね。


沈黙を打ち破るための質問はしなくて良い

質問は大切ですという話をすると必ず出てくるのが、沈黙が怖いために必死になってしまうということです。
しかしこれでは逆効果です。
質問には次の2点の効果があります。
①自分の聞きたい情報を得る
②相手が得意な話に持っていき心地よく話せるようにする
沈黙を打ち破るための質問は、必死感が伝わってしまうだけではなく上記の2点をカバーしていないのです。

 

まとめ

 

人の幸福度は、身近な人間関係を大切にすることで上げることが出来ます。心が満たされることで、ビジネスも精を上げることが出来るのです。
そのためには、相手に関心を持ち、信頼関係を築くことで固い絆を結んでいきましょう。